●大病後12年以上毎日歩き続ける
6月21日と27日の2回「歩くこと~なるべく病院に行かないための健康法」と題して、私のウォーキングの先輩お2人の健康法と病気について簡単にご紹介しました。暑さの続く梅雨明け後も、毎日きっちりと歩いている元気な中高年者の体験は、何よりも実践的な健康法を知る参考になります。
そろそろ私自身の体験に基づく健康と歩くことの関係について、そして今日の日本の医療問題についてお話を始めようと思っているのですが、このところ何しろ暑いですからね。じっくりと構想を温めているうちに、予想以上の真夏日連続で、構想は煮詰まりかけております。熱が入りすぎて独断に陥ってはいけませんので、今日はもうひとり先輩の体験をご紹介しようと思います。宇野さんです。丑年、誕生日が過ぎて、今年73歳。
左は6月中旬でお元気そのもの。右は今朝7月22日、連日の暑さでさすがの宇野さんもお疲れ気味でした。以前からよく出会っていたのですが、昨年半ばまでの私は、何をおいても自分の体力づくりに夢中ですから、“お早うございます”と声を掛けるだけで、あまり人とは話をしていませんでした。話をする相手は、もっぱらノラ猫だけだったのです。
昨年の後半ごろから、私にも少し体力的余裕が出てきて、いろいろな方々と少しずつお話するようになりました。宇野さんは、よくビニール袋をもって歩いていますので、私は手帳に「Mr.B」と書くことにしました。Bは「bag(バッグ)」のBです。
それが昨年秋のある朝、昨日まで時ならぬコイの産卵現場となった近くの河畔で、“ねえ、見てご覧よ、蛇がいるよ”と声をかけてくださったのです。川を見ると上流に向って全速力で泳ぐかなり大きな白い蛇が見えました。これがよくお話をするようになったキッカケです。あの蛇は勝淵神社のお使いかも知れないな、などと話したものです。
お名前をちゃんと伺ったのは年末に近かったように記憶しています。度々会うのにお名前を知らないのは不都合だと思いましたので、ついにお名前を聞いたのです。朝のウォーキングで出会う人の中には、名乗ることを嫌われる方もありますので、慎重に時間をかけて、相手との距離感をよく観察してからでないと失礼になることがあります。
お名前を知ってからは、親しさも一層深まり健康のことも、ご家庭のことも、ほぼ話題を気にすることなく話すようになりました。さて、宇野さんが毎日歩くようになったのは、14年前の大病が原因でした。
― 60歳前だったからまだ体力があって助かったのかもしれない、って医者は言ってたけどさ。胸部大動脈解離ってやつで、9時間の大手術。心臓止めて胸付近の肋骨を何本も外してさ、心臓から腹のところの動脈まで、人工血管に取り替えた。その後に、左足の静脈も具合が悪くなって、ほらちょっと見えるでしょ? 太腿から膝下まで傷跡がある。まあ、満身創痍ってところだな ―
昨年、同じような病気をされた知り合いがいますので、その手術の大変さは想像できます。宇野さんは三鷹市の住人ですから、病院は近くの杏林大学病院に運び込まれました。杏林大学病院の救急救命センターは、最近はその実力が相当高く評価されています。
この病院が近かったことも幸いだったのでしょう、宇野さんの手術は成功されました。しかし、術後2年間はリハビリ主体の生活で、ほとんど運動は出来なかったようです。ここからが、6月21日に紹介した金本さんと同じで、凄まじいばかりの気力を見せられます。
金本さんよりは多少(!?)宇野さんのほうが医師の指示を守るタイプであるようですが、宇野さんも術後2年後から一念発起、毎日歩く運動を始められました。目標は1日に、午前5キロ、午後5キロの合計10キロを歩くことです。そして、もう12年間も歩き続けておられるのです。
定期検査の数値を気にしながら、体調に合わせて静かに暮らす、というのでは人間らしい生き方ができない、そういうふうに考えるのですね、金本さんも宇野さんも。どうやら、医師やリハビリの専門家が指示するよりも、少しハードな運動を、毎日続けることが効果があるようです。今では、毎年の定期検査で問題になることはまったくないそうです。もちろん、血圧や血糖値も正常です。ただ、人工血管ですから血液の粘性が高くならないための薬を飲んでいるので、指をちょっとケガしてもサーッと血が出るので、傷には十分気をつけているそうです。
金本さん、宇野さん、そして想(おもい)さん、これまで3人の先輩をご紹介しましたが、その事例と私の体験を照らし合わせて考えても、どうやら大病後の健康を守るにも、またなるべく病院に行かなくてすむ健康を維持するにも、「少しハード」と「毎日続ける」の2つがキーワードになるようです。その運動に最適なのが「ウォーキング」であることはいうまでもありません。

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