●梅雨考
梅雨明けしたらしいと気象庁が発表したのは7月17日昼前のことでした。以前は梅雨が明けたと宣言されると、天気は天邪鬼なのか、また翌日から雨が降り続くなんていうこともありましたが、今年は発表どおり翌日から、迷惑なほど暑い晴天が続いています。
お天気博士として知られる倉嶋 厚(くらしま あつし)さんが監修した「雨の言葉辞典(講談社)」によると、梅雨(つゆ、ばいう)という言葉は中国で古くから使われていたもので、その語源は「梅の実の熟する季節の雨、または黴(かび)のはえる季節の雨の意味の黴雨(ばいう)」だそうです。
この言葉が日本に伝わったのは平安時代のことですが、当時の日本ではまだあまり使われず、五月雨(さみだれ)というのが普通で、室町時代から「梅の雨」という言葉が散見され、本格的に「梅雨」が使われたのは江戸時代からだったようです。
昔は梅雨といえば、梅より「黴雨」の文字に似つかわしい、薄暗い空模様に小雨の日が続く鬱陶しい季節でした。しかし、梅雨が終わりに近づくと、稲妻が真っ暗な空を乱舞し、小石をばら撒くような強い雨脚の雷雨に襲われるという一夜があって、その翌日から前日までとは打って変わって、青く晴れ上がった空になる、そんなメリハリがありました。
ところが最近は、空(から)梅雨となったり、豪雨となったり、雨の日々にとんでもなく暑い日が挟まったりと、曖昧な空模様を見せることが多くなってきました。そういえば、東京では、梅雨明けの雷雨はあまり見られなくなりましたね。今年も雷鳴は聞きません。昔は本当に空が破れたのではないかというような、凄まじい雷鳴があり、稲妻も夏の打上げ花火を凌駕するような強い光を放ったものでした。
雷は歳をとっても怖いものですから、無いほうがありがたいのですが、これが異常気象に結びつくのでは、ありがた迷惑というもの。今年もほどよく暑く、時々は激しくない雷雨という、健全な夏であってほしいと思います。
●夏の朝に見えた富士山
拙宅から仙川河畔に出る途中に富士山の見える場所があります。私は富士山が大好きで、いつもその地点で立ち止まり、今日は見えるかなと確認を怠りません。しかし、冬は空気が澄んで見えやすいのですが、私の歩く時間が5時から6時という日の出前の早朝ですから、いかに日本一の富士山でも西の空はまだ暗くて見えないことがほとんどです。どうしても見たいときには、一度戻って9時ごろに出直します。富士山までは直線距離にして85キロメートルほどしかありませんから、良く晴れた冬の寒い日はかなり大きく立派な姿の冠雪した富士山が見えます。
この富士山が見える地点には、「ふじみようちえん」という名の幼稚園がありました。建物の西側は崖のようになっているので、視界を遮るものが何もありませんから、富士山は園舎の窓から真正面にきれいに見えたはずです。しかし、この地域にも少子化の波が押し寄せているようで、3年ほど前に廃園になりました。園舎はまだそのままになっていて、あちこちガラスも破れ、しだいに廃屋めいてきて気の毒に思います。もし、私が大金を手にするようなことがあれば、この建物をぜひ買い求め、飼い主に捨てられた犬や猫と、そして気の合う友人たちと一緒に暮らせる施設にでもしたいと思います!
話がそれましたが、今朝、この季節には珍しく富士山が見えました。嬉しくてしばらく見つめていましたが、家に帰ってよく見ると、写真は残念ながらあまりきれいではありません。悔しいので同じ場所から撮った冬の真っ白な富士山と組み写真にしてご覧いただくことにします。そして、廃園になった幼稚園の写真も一緒にご覧ください。
●コイの産卵、再び
コイの産卵についての続報です。昨日、東京湾にハゼ釣りに出かけて朝歩きを休んだ、団G(私の命名による男性グループの通称)の1人、内野さんと、今朝は産卵場所近くで出会いましたので、早速、ことの次第を説明し、コイの産卵について伺いました。内野さんの説明を、ほぼその言葉通りに記録いたします!
― ああ、5月にも産卵したけど、今回も確かに産卵だよ。コイはね、大体年に3回産卵する。えっ? メスは1年に1回? そうだよ、だから5月のときのメスと今回のメスは違うメスなんだ。5月に産まなかったヤツが今回産んでる。中にはね、今度も生まないで大きなお腹のまま次まで持ち越すメスもいるんだ。 ―
う~ん、そういうことなんでしょうか。団Gの中にも、本当か? と疑問の声を上げる人もいました。ウォーキングで立ち去る内野さんに、とりあえずお礼を申し上げて、しばらくその現場でいますと、別な男性がやってきました。内野さんの説明を伝えると、
― 前回は5月頭で、今回は昨日からだよね。今朝も相変わらずバシャバシャやってる。しかし、別なメスってのは本当かね? 人間も変なヤツが増えてるけど、コイも狂ってるヤツがいるんじゃないの? コイが2度もこの川で産卵するのを見るのは私は初めてのような気がするなあ。―
そこに、知り合いのご夫婦の方がいらして、ご主人がこういいます。
― 私も、産卵の回数はよく知らないけど、ほら、ご覧よ。近くにカモがいるだろう? さっき見てたらさ、コイが離れると、あいつらすぐに産卵場所に行って、卵をどんどん食べちゃうんだよ。気の毒だなコイも。でも、産みたての卵だからさ、相当栄養価は高いよな。―
そうです、コイの卵を狙うのはカモだけではありません。サギもあの長いクチバシで上手に飲み込みます。そして孵った稚魚は、貪欲な川鵜に食べられてしまいます。蛇もいますし、まだ他にも狙っているものがいるかもしれません。コイは膨大な量の卵を産みますが、無事成魚に育つのは少なく、したがって仙川のコイの数量は毎年同じぐらいで推移しています。穏やかな小川にも凄烈な食物連鎖は厳然としてあります。なお、コイの産卵については、さらに研究を深めるよう努力いたします。




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