●参院選報道に物申す
選挙のことなどあまり書きたくないのですが、あまりにも変なので投票日目前ではありますが、一言。ある新聞に、投票するときには所属する政党の政策を十分に検討することも大切ですが、候補者個人の政策や意見も参考にしましょう、などとあります。
なぜか、今回の参議院選挙は、マスコミ報道によりますと、最大の争点が消費税率を引き上げることかどうかのようです。これは、このところ財務省の官僚と一部の経済学者、アナリストに洗脳された菅さんが、財政の健全化を最大の目標の1つとして掲げ、増税論は選挙に不利だが、国の将来のため党を超えた検討をすぐにも始めたいと言い出したことがキッカケのように見えて、じつはマスコミと財界の一部が争点化に拍車をかけたものだと思います。
本来は消費税以外にもっと重要な課題があるのに、それが陰に押しやられるようにマスコミは消費税論議に明け暮れています。その中でも、投票日を目前に控えた7月8日の朝日新聞朝刊は、17面のほぼ全面を使って、「2010参院選 争論」として「上げるのか消費税」と題して、森永卓郎氏(経済アナリスト・独協大学教授)と土居丈朗氏(慶応大学教授)の意見を載せています。森永氏が引き上げ反対派で「増税するなら金持ちから取れ」と主張し、土居氏は賛成派で「働く世代だけに負担させるな」と自説を述べています。
2人の論の詳細はともかく、このように経済学者も正反対の意見に分かれるほど、消費税の問題は一筋縄ではいきません。これを一般の選挙民が、どう判断すればいいのでしょう。判断の材料はたくさんありますが、調べれば調べるほど、何が正しいのか迷路に踏み込んでしまうような思いがします。7月4日の「経済学のレベルはニュートンよりだいぶ前?」でも書きましたように そもそも「健全な財政」とは何か、ということすら、意見はまちまちなのです。増税派の決まり文句は「子どもや孫の世代に借金を負担させてはいけない」ですが、これもどこまで本当なのかよくわかりません。
しかし、お2人の意見の詳細は書かないつもりでしたが、土居さんの意見はすごいので、少し引用したくなりました。冒頭は、
「できることなら、明日にでも消費税を上げるべきです。難しいのは分かりますが、日本の現状をみると、未来永劫、消費税を5%にしておいていい状況でないのは明白です」とあり、最後の段落はこうあります。
「菅首相が参院選にあたり、消費税アップに踏み込んだのは評価できます。だが、10%ではまだ足りない。社会保障制度をこのまま続ける場合、将来的にどのぐらいの消費税率だと、政府債務が累積しないですむか。経済学者の計算だと、15%から20%という数字が出たりします。(後略)」
どうです、驚きますでしょう?「経済学者の計算だと」なんて他人事のようにいってますが、土居さんって専門は財政学と公共経済学だそうですから、経済学者じゃないのでしょうか。Wikipediaには「奈良県奈良市出身の日本の経済学者。博士(経済学)」とあります。こういうことを平然というので、経済学は物理学でいえばニュートン以前といわれるのですね。
さて、ここでさらに疑問が湧いてくるのですが、消費税引き上げに賛成の人は、民主党か自民党に投票すればいいのでしょうか? 民主党はまだ党内部で必ずしも意見が一致していないようですし、自民党も民主党とは考え方が違う、といっています。でも、まあ最終的にはこの2党は引き上げ派とみていいでしょう。
では反対派はどこに投票すればいいのでしょう。引き上げ反対を公約している政党はみな少数党ですね。この人たちに投票しても、消費税引き上げは止められないのではないでしょうか?
このように考えていくと、今回の参議院選挙の争点を「消費税」にしてしまったのは間違いだったと思います。財政健全化のために、消費税引き上げを含めて、今後の税制のあるべき姿を徹底的に検討する、それだけでよかったじゃありませんか。その上で、沖縄普天間飛行場移設問題を含めて、もっと具体的な政策をこそ争点にすべきだったのではないでしょうか。そもそも、消費税を引き上げるときは、そのことについて国民に信を問う、と菅総理は明言しているのですから、参院選の争点にする必要はなかったのです。繰り返しになりますが、他の多くの問題の影が薄くなるほど、消費税を騒ぎたてたのは、新聞、テレビを中心とするマスコミなのです。
日曜日の投票は、消費税以外の公約を検討して投票すべきだ、と私は思います。
●仙川河畔は百日紅(さるすべり)の季節
消費税の話題にふさわしいかどうか、仙川の北側河畔に並んだ百日紅(さるすべり)の花が開き始めました。赤と白が競い合うように咲くのですが、今日の早朝はどんより曇っていましたので、あまりきれいに撮れませんでした。近日中に撮り直します。今日は消費税のお口直しのつもりでチラッとだけご覧ください。

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