●昔なつかしい、ちょっと酸っぱいヤマモモの実
時はなぜこうも足早に進むのでしょう。今年は何かと困難が待ち受けているような予感がするものですから、正月ぐらいはノンビリしていよう、などとグウタラを決め込んでいたのが、つい昨日のように感じられます。気づけばはや7月。
7月は陰暦では文月と書いて、ふづき、ふみづき、などと読みますね。私の名前に通じますが(!)、岩波の漢語辞典によりますと、「学問・芸術・教養の分野。武力・腕力など荒々しい力によらず、人知・教養などの働きによる所産」という説明が第4項に出ております。前半は梅雨模様、下旬には猛暑に見舞われるかもしれないという、あなどれない7月ではありますが、文月と思えば、なにやら人間らしいひと月になりそうです。
これは、5月30日の「普天間問題とマスコミ~朝日新聞の投書」でご紹介した仙川公園の「ヤマモモ」の木と実です。今朝、この公園に差し掛かりましたら、顔見知りの女性が、木の枝を手繰り寄せ小さな赤い実を採っています。近づいてご挨拶をすると、あなたもいかが、まだ少し酸っぱいけれど、といって2粒の実を差し出されます。
女性の命令はいかなるものであっても常にこれに従う、というのが私の大切な処世訓第1条でありますから、少しの疑いも遠慮もなく頂戴いたしました。
うん、これがわずかに酸味があるものの、若い甘味が軽やかに口中に広がります。これはなぜか懐かしさを感じさせる味でした。子どものころ食べた何かに似ています。ゆっくりと噛み締めていると、思い出しました。3つ歳上の従姉のチーちゃんが採ってくれたグミに似ています。残念ながら彼女は4年ほど前に病に倒れ帰らぬ人となりましたが、昔一緒に遊んでくれた日々が、どっとあふれるように次々と浮かび上がってきて切なくなりました。
ヤマモモで思い出したのはチーちゃんだけではありません。6月7日の「ヤマボウシ、そして鳩山首相の退陣」の項でご案内した、勝淵神社横のみはらし山のヤマボウシです。ああ、そうでした、これも女性に教えていただいたのでした。ええ、仙川を歩かれる女性には知識人が多いのです。さて、この実がどのぐらい成長したか、ほぼ1ヵ月の時が経過しておりますが、ご覧ください。
真っ白だった総苞片が、大半枯れ落ち、残っているものも薄汚れた哀れな姿になっています。その代わり、中央の集合果がだいぶ成長してきました。これが9月ごろから順に赤みを増し、10月ごろには真っ赤に熟して甘い実になるそうですから、楽しみです。でもこれを食べたら、今度は何を思い出すか、ちょっと心配ではありますが。


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