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●SNF日誌とは

 たしかに、ウンザリさせられることの多い毎日で、新聞、テレビなどのマスコミも、まるでこれしか話題がないかのように、残忍な事件や、経済の停滞、政治批判を並べ立てています。ていねいに見たり読んだりしていると、生きているのが無駄であるかのような気さえしてきます。
 しかし、人間社会には、もっと心豊かになる話題もたくさんあります。素晴らしい技術の研究や開発に寝食を忘れている人もたくさんいます。本欄では、そんな“ちょっといい話”をたくさん集めて、人間として生まれてきてよかったという気持ちを多くの人々と共有したいと思っています。同時に、その“いい話”を引き立てるために、“イヤな話”も時々交えることもありますが……。

菅総理大臣、1人ポツリ?~仙川の孤独カモからのご挨拶

 仙川河畔で美形のカモが1羽、しきりに何かを考えるような態度をしていました。私が近づいても逃げず、お陰で少しきれいな写真がとれました。なかなか威厳のあるカモでしたが、このカモに成り代わって、今朝は菅直人総理大臣に応援のメッセージを贈りたいと思います。では。

 6月25日、カナダ・トロント郊外のムスコカで開幕した主要8か国首脳会議(G8サミット)は、26日に終わったのですが、一昨日26日の日本経済新聞夕刊を見ると意地悪な見出しが目に付きました。「新顔菅首相、1人ぽつり」。そして今朝28日のテレビ朝日の「スーパーモーニング」でも同じ内容が放送されました。
 要するに、25日昼に行なわれた首脳の集合写真撮影をするときに、自分の立つべき場所がわからず、どぎまぎしているとイタリアのベルルスコーニ首相に、こっちこっちと手招きされて端のほうに立たされた、ということが1つ。もうひとつは、撮影が終了した後に、各国首脳が互いに肩をたたき合いながらだんらんしている輪の中に入れず、輪の外で背中越しに笑顔を見せるだけだった、ということが「大丈夫か菅総理?」と、言いたげな記事やニュースになったのです。

― 一時ぽつりと立ち尽くす場面があった。各国首脳が既に顔見知りなのに対し、首相は新顔。言葉の壁などもあって加わりにくかったとみられるが、初参加の首相にはちょっとした洗礼となったかもしれない。― 

 日経の記事には、トロント=桃井裕理と特派員名が署名されています。日本人はこういう話が好きですね。反対に小泉さんや麻生さんが、怪しげな英語で輪の中に入っていると、嬉しそうな記事を書くのです。しかし、こんな撮影後の一瞬の“だんらん”になど、別に加わることはありません。どうせ「やあ、やっと終わったな、君の国も大変だからこれから気をつけろよ」「なに、お前さんだって失言が多すぎるって問題抱えてるんだから、慎重にな」てな毒にも薬にもならないことを話してるだけなんですから。
 テレビ朝日では鳥越俊太郎さんが、「菅さんは小泉さんや麻生さんみたいに留学してなかったからね、首相になったんだから挨拶ぐらいの会話は出来るように勉強しておくとよかったが、時間がなかったんだろうね」と同情しているのか馬鹿にしているのか不明のコメントをしていました。
 しかし、菅さんは総理としては初めてですが、鳩山内閣の閣僚としては国際会議に出席していますし、野党時代にだって民主党が政治の参考にしているというイギリスをはじめ、何ヵ国にも行っているはずです。さらにいえば、地方から都立の高校に転入して、難しい東京工大に合格した優等生ですよ、菅さんは。挨拶程度の英語ができなくて、“だんらん”の輪に入れないはずなんかありません。
 そもそも、そんな慎ましやかな人間なら、今回のような混乱のなかで総理大臣に就任するはずもありません。ですから、輪に入らなかったのは、一瞬のことですから、単に偶然にそうなったか、入る必要がないと思ったからに決まっています。あるいは、頭の中には内外の難題が詰っていたので、人気が下降気味の各国首脳と肩たたきあってバカ話をする気にならなかったのでしょう。日経の記者はそんなことも見抜けなかったのだし、テレビ朝日の報道部なんて興味本位の番組しか作らないのです。

 私は思います。こういう移動場面などの瞬間的な談論の輪に入るとか入らないとか、肩を叩き合うとか、そんなことはあまり気にする必要がないと。さらに麻生さんのように天衣無縫という感じの崩れた笑顔をさらす必要もありません。毅然としていればいいのです。そして誰かと目が合ったら、ちゃんと誠意をこめて見返し、何語でもいいから、なにか適当なことを言えばいいのです。新聞やテレビの報道など気にすることなく、総理には堂々たる態度を今後も通していただきたいと思います。
 日本経済新聞のこの記事の同じ枠内に、菅夫人がカナダのハーパー首相夫人が猫好きであることを事前に調べて、猫の柄の帯を締めて会話を弾ませたなんてことを、こちらはダンナの不細工に比べて、良くできた国際派夫人の鏡のように嬉しそうに伝えています。別に悪い話ではありませんが、猫柄の帯なんてそうそうあるものではありませんから、このG8のために新調したのですかね。ご注意ください、伸子さん。総理が失敗すれば、これだって美談から非難にコロリと急変させるのが日本のマスコミなのですから。
 それにしても、新聞記者って“危機意識”が欠けてますね。そして、政治と芸能、スポーツが、どれも似たような文章になっているのも大いに気になります。

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