仙川河畔にはところどころにノラ猫が棲んでいます。10数年前から同じ道を歩いていますから、彼らの存在にはもちろん気づいていました。もともと、動物が好きなので、彼らと親しくできたら楽しいだろうとは思っていたのですが、警戒心の強い彼らの信頼を得るには何か工夫が必要です。しばらくは、単に観察しているだけで我慢していました。
しかし、毎日同じ時間帯に歩くようになると、彼らも次第に私を意識し始めます。そんなときに最初に目にとまったのが、写真のメス猫です。推定2歳半。彼女は結構、好奇心が強く、毎日顔を合わせるうちに、声を掛けても逃げなくなってきました。この頃から私は彼女に名前をつけ、必ずその名を呼んで立ち止まり、何かと話しかけるようにしました。仙川河畔で出会ったメスなので、単純ですが“仙子”と命名したのです。最初のうちは不思議な顔をしていましたが、だんだん慣れてきたようで、遠くから声を掛けても反応するようになってきました。
仙子はノラ猫ですから、人間と遊びたいなどとは思っていません。安心できる人と判断したら、近づいてエサをもらおうと考えているのです。当然であります。ですから、私と会う前に誰かからエサをもらって満腹している朝は現れないこともあります。
そこで私は、頃はよしと決断し、エサを与えることにしました。最初の半年は小さな煮干にしました。家で使うものの残り、その後は専用のなるべく安いものを、ツレアイに調達してもらいました。日本経済における個人消費の増大に多少なりと貢献していることになります!
さて、仙子に続いて同じような手順で親しくなった猫は、今日現在数匹おります。順次ご紹介申し上げたいと思います。今日の仙子は、薄茶と白の縞模様ですが、胸元の白がとてもふくよかで美しく女性らしい! 一緒に話をしているときは穏やかな表情なのですが、カメラを向けると最初は飛び逃げましたし、慣れてからも、何するのよ、といわんばかりの厳しい表情になります。
親しくなった昨2009年春には左耳の先端にピアスがついていました。人間のいたずらかと思いましたが、ボランティアが避妊手術をし、その目印にピアスをつけたのだと後で知りました。三鷹や調布にはこういうボランティアが何人か活動されているそうで、私も最近そのお1人と知り合いになりました。またの機会にご紹介したいと思います。なお、仙子のピアスは数ヵ月前に外れて今は何もついていません。
仙子をお見知りおきくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
●参議院選挙公示、朝日新聞星編集員の記事
いよいよ選挙ですね。参議院選挙が6月24日に公示されました。投票日は7月11日。こんなこといったら顰蹙(ひんしゅく)を買いそうですが、小さな声でいいます、“うるさくなりますね”!!
20日朝日新聞朝刊1面には、朝日のエース、星 浩編集委員が選挙戦突入にあたって「政策を選ぶ 熟考の時」という記事を署名入りで書いています。星さんは6月22日の9党首討論会(日本記者クラブ主催)でも朝日を代表して質問をしていました(注)。
星さんの主張によると選挙には「熱狂型」と「熟考型」があって、2005年の衆院選は郵政民営化、2007年の参院選は事務所経費と格差問題、そして2009年の衆院選は政権交代というテーマによる「熱狂型」だったといいます。そして、熱狂して“地道な政策論を忘れていなかったか”と彼はつけ加えています。この「忘れていなかったか」が不思議です。主語がはっきりしていないのです。忘れていたのは、政治家なのか、マスコミなのか、有権者個々人なのか、それとも全員なのか?
そして2004年の参院選は熟考型で、民主党が年金財源に充てるため消費税の3%引き上げを提起し、これが論争を呼び、自民、民主の票は49対50の大接戦だったといいます。
こういう説明のもとに、今回の参院選は彼のいう「熟考型」を“勧めたい”と、突然語調が第三者的になります。“熟考型であって欲しい、私たちもそのために、さまざまな資料、情報を誌面で提供しますので、一緒によく考える選挙にしましょう”というのが普通だと思いますが、なぜか“勧めたい”となっているのです。
そして何が考えられなければならないかについて、消費税、米軍普天間飛行場移転問題を代表的な例としてあげますが、ここには星さん自身の考えは書かれていません。一応公平な立場で、“各党の主張に目を凝らしたい”“(自民、民主以外の)第3極に希望を見出そうという選択しもある”と語調は和らげてあります。しかし、文章の流れから読み取ると、第3極方向に星さんの目が向けられているような雰囲気があります。そして、結びの一節となります。
― 組織の意向を受けて投票先を決めるといった古い政治にも決別したい。投票日まで有権者一人一人が自分の頭で政策を吟味し、大いに悩んで選択する。民主主義では当たり前のことを、この参院選で、もう一歩進めたい。―
“素晴らしい言葉です、朝日新聞の見識を示していますね”と、いいたいところですが、私は、本気ですか? と問いたい。こんなことずっと昔からいわれている“建前論”に過ぎないじゃありませんか。
有権者一人一人がどのように熟考するのでしょうか。たとえば、普天間飛行場移設、ならびに沖縄の過重な米軍基地負担。誰が考えたって普天間は危険ですから移設すべきだと思います。在日米軍基地の75%が沖縄だなんて、どう考えたって公平を欠いている、そう思います。しかし、じゃあどこに移設、となったら誰も意見がないじゃないですか。新聞はこの10ヵ月、鳩山氏を罵り続けてきましたが、では、どういう主張をしてきましたか? 非常にあいまいなまま、鳩山氏を非難するだけで、内心は2006年にやっと合意した線に戻ればいい、と考えていたのではありませんか? そもそも、国際防衛、日米同盟、日本に駐留する米軍基地の適否、こういった問題は一般市民がどんなに熟考したって、答えは出せません。考えるもとになる材料も少ないし、日常生活の維持に忙殺され、こういう問題を考える精神的余裕などないのが普通でしょう。
じゃあ、どの政党を選べばいいのか、といっても、しっかりした考えをもっている政党なんかないのです。そんな政党があれば、とっくに普天間問題は解決していたはず。いろいろな政策の違い、利権の問題、米軍の維持費用の負担の問題、こういう入り組んだ問題に対して、明解な政策を主張した政党はないのです。
自民党案? あれは問題が多すぎます。そもそも、敗戦後60年も過ぎて、あの程度の合意案しか作れないから、解決できなかったのです。アメリカに擦り寄るだけ。本当はアメリカにだって、今後の日米関係をきっちり見直そうと考える識者は何人もいるのです。鳩山さんは、実践的政治家として評価できない方でしたが、この問題に杭を打ち込んだことだけは確かなのです。
有権者が熟考して投票すればいい政治が生まれるなんて、そんなことは、星さんだって思っていないはず。だから「民主主義では当たり前のことを」という言い訳を付け加えているに違いないのです。
NHKのニュースで、参院の立候補者の街頭演説が紹介されていました。ある若い女性は、「本当に自分の子どもを安心して育てられるような、あるいは自分の子どもを産みたくなるような国に私はしたいのです」というようなことをいいます。ある若い男性は、「誰もが安心して働ける社会にしたいのです」などと、いつも同じようなことをいっています。
私はあえていいたくなります。あなたが当選して参議院議員になったら、どうしてそんな素晴らしい社会にできるのでしょうか? これまで長い間、あなたと同じようなことを訴えて議員になった人がたくさんいますが、今の社会はこういう状態ですよ、と。
こういう単純な私の疑問に、星さんはどう答えるでしょう。やはり、民主主義では選挙ってこういうもの、としか言いようがないのでしょうか?私は、もっと別な考え方をする必要があると思います。
(注)9党首討論会の読売の代表は特別編集委員の橋本五郎さんでした。彼は紙上でも「五郎ワールド」というコラムで、なかなか味のある、時には独りよがりな記事を書いていますが、あの討論会の語調は妙に馴れ馴れしく、ふてぶてしい感じがして、私は少々がっかりしました。亀井国民新党代表にちょっとたしなめられるシーンがありました。鳩山政権を思い通りに倒したという読売の自信が感じられました。

仙子さんは美人ですね。
子どもの頃、一緒に暮らしていた猫に少し似ています。(オスでしたが)プライドが高く、とても賢い猫でした。仙子さんも、そのように見えます。
我が子を捨てたり、小さな命を大切にできない人間がいるこんな世の中、ノラ猫が減ることはないでしょうね。
猫をてなづけるのは大変でしょう。私も散歩の途中で猫にあいますが、コンタクトとろうとしても逃げてしまいます。一匹、やたらと太ったのがいてそれだけはじっとして動きませんが。