●小学校からの英語の授業
小学生から英語の授業を必修にしようというニュースはもうずいぶん前からあります。その是非をめぐる論争も活発になっていますが、ちょっと気になるので、文部科学省の公式ホームページ(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gaikokugo/index.htm)の該当ページを覗いてみました。
なるほど、学習指導要領はこうなっているのですね。
― 文部科学省では、平成20年3月28日に小学校学習指導要領の改訂を告示し、新学習指導要領では小学校5・6年で週1コマ「外国語活動」を実施することとしました。
外国語活動においては、音声を中心に外国語に慣れ親しませる活動を通じて、言語や文化について体験的に理解を深めるとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成し、コミュニケーション能力の素地を養うことを目標として様々な活動を行います。―
そして昨年、平成20年度は、全国で614校の拠点校を指定し、各拠点校で「英語ノート(試作版)」を活用した取り組みを進めたそうです。 小学生から英語を学ぶのが適切かどうかは、いろいろな意見があり、私も大いに関心がありますので、新しいカテゴリーとして、「言葉」を用意し、その中で英語をはじめとする外国語と日本語について、いろいろな角度から検討していきたいと思います。ただし、なるべく読みやすいお話を並べて、その中で考えていくことにします。
写真は上が西瓜で発音は「スイカ」です。下の写真は少し古いのですが中央公論社の「日本の詩歌」で「シイカ」と発音します。これを取り違えて発音する日本人はほとんどいません、しかし…。
●「シーボーンアート」って何?~詩(シ)と巣(ス)と粋(スイ)
ボンヤリしていて何日だったか忘れてしまいましたが、NHK朝のテレビ番組「おはよう日本」をチラチラ見ながら新聞を読んでいましたら、「シーボーンアート」という言葉が聞こえてきて、何語だろうと思って、画面を見ると、どうやら海岸に漂着したり打上げられたものを使って作る美術品のことでした。
ということは、「sea born art」ですね。検索すると「Sea Born Art School」などという学校もあるようです。そしてどのページもカタカナは「シーボーンアート」となっています。
驚いたことに、いや別に驚くこともないのですが、日本渚の美術協会というNPO法人があり、公式ホームページもあります(http://www.npo-nagisa.com/index.htm)。その協会によりますと、「Sea Born Art」は「海から生れた美術」という意味で、この協会が作った造語だというのです。さらに赤い強調色文字で、「シーボーンアート」は日本渚の美術協会の商標登録です、と書かれています。
ちょっとボンヤリしていると、世の中にはいろいろと新しいものが生まれるのですね。テレビで紹介されていたのは、四国愛媛県の「あいなんちょう」というところの作品で、ヒオウギガイで作られたランプなどでした。この「あいなんちょう」が正確にはどこで、どんな文字なのか、番組は最後まで見てもわかりませんでした。おそらくこのコーナーの最初にテロップが出たので、あとは音声だけにしたのでしょう。こういう場合は画面の片隅に「愛媛県南宇和郡愛南町」と出しておいてくれたら、途中から見た人も分かりやすいと思うのですが、NHKも少し手抜きかな、と感じます。
話が英語からそれてしまいましたが、この例でお分かりのように、小学生はたとえ学校で正しい発音を英語母国人(ネイティブスピーカー)から教わっても、1歩外に出ると日本式カタカナ表記と日本式発音のシャワーを浴びるのです。
私の孫(小学校4年生)も、トマトじゃないよ、トメイトゥ(正確ではありませんが、アメリカ式発音で)だよとか、リンゴはアップルじゃなくて、アッポゥ(同じく)だよ、なんて言ってます。しかしじゃあ、ディズニーシーはどうします? これは「Disney Sea」ですよね。
要するに、すべての日本人が中学校で習った、「she」や「sheep」などと「sea」や「see」の発音の違いが、現実の日本社会ではほぼ完全に無視されているのです。日本語には詩(シ)の音のほかに巣(ス)や粋(スイ)がありますが、なぜ海は新聞もテレビも「シー」になってしまうのでしょう。小学生が外国語を話せるように、と難しいことを考える前に、こういう問題を解決しておく必要があるのではないかと、私は強く思います。



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